[2003.01.19]
  あしたの「売り方」


 ▼出版社のオープンソース戦略は成功するか(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20052019,00.htm


 あしたが後方にあって,きのうが前方にあるカレンダーなど存在しない。あしたはきょうの次に,前にある。後ろをみていたり,きのうに立ち止まっているものに,あしたは来ない。

 技術書や学術書の出版を行っているプレンティス・ホール社が,オープンソース形式でデジタル書籍の無償提供を始めた。自由に複製を認め,原典の表記などの条件を満たしせば修正・加筆しての再配布もできる。こうした動きをみせる出版社は他にもある。

 ウェブによって数年後には新聞も雑誌もなくなると云われるが,相変わらず今もあるし,未来永劫,紙メディアは変わらず存在し続ける,と云う愚か者は確かに存在する。任天堂の社長もそんなひとりなのだろう(Mainichi INTERACTIVEの記事)。かわいそうに。任天堂ももう終わりだな。ネットワークゲームとは,ゲーム自体の変化であるとともに,ゲームを売るという商売の変化でもあるのに。

 無料のネットゲーやタダで手に入るMP3にわんさか人が集っているというのに,ネットゲーやネットでの音楽販売などやるだけムダとしか考えられないのは,後ろ向きでしか生きられない人間たちの貧相過ぎる考えだ。もうすでに動いている事実を,認識できないどころか無視しようとするそんな人たち…。出版とて,同様。今までの「売り方」を維持していたら,滅ぶ。現在,新聞・雑誌も音楽もゲームも全部売り上げが落ちているのは,不況だからではなく,「売り方」の変革が求められているに過ぎない。そして,前を向けば,どんな「売り方」が考えられるかが,見えてくるはずなのに。それを見ようとする者にしか,未来は来ないのに。


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